「2027年度介護保険法改正・報酬改定」議論の焦点を確認しておきましょう
2027年度介護保険法改正・報酬改定に向け、いよいよ議論が開始
2025年12月25日に介護件部会から報告書「介護保険制度の見直しに関する意見」が公表され、いよいよ具体的な各論についての深い議論が行われる「介護給費費分科会」が開始となった2026年4月27日。
2027年度の法改正・報酬改定の動向が気になる皆様にとっては今後、要注目の会となる訳ですが、初回の会議では「令和8年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」「令和8年度介護従事者処遇状況等調査調査票(案)」「介護分野の最近の動向」そして「令和9年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について」計4種類の資料をもとに議論が進みました。
今回はその中から、大枠ながらも今後の議論の全体像がイメージしやすい「令和9年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について」(以下、「本資料」と表記)の資料の内容について皆様にお届けしてまいります。
「令和9年度介護報酬改定に向けた検討の進め方について」に記載された内容とは
では、早速、中身を確認してまいりましょう。
以下は本資料に記載されたすべての内容をそのまま反映しています。
先ずは、前回の法改正に関する総括・論点整理についてです(重要と思われる部分については太字としています。以下、同じ)。
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〇 令和6年度介護報酬改定においては、いわゆる団塊の世代がすべて 75 歳以上となる 2025 年を見据え、診療報酬との同時改定であること等を踏まえ、以下の4つの項目を柱とし、改定を行った。
1.地域包括ケアシステムの深化・推進
2.自立支援・重度化防止に向けた対応
3.良質なサービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり
4.制度の安定性・持続可能性の確保
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次に、昨年度、2027年度報酬改定を待たずに今年度(2026年度)から先行して開始された処遇改善、及び食材料費の緊急対応に関するあらためての確認についてです。
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〇 また、「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年 11 月 21 日閣議決定)において、「介護分野の職員の処遇改善については、累次の取組を講じてきた結果、介護職員の賃金は改善してきたものの、他産業とはまだ差があり、人材不足が厳しい状況にあるため、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行う」とされたことを踏まえ、令和9年度介護報酬改定を待たずに期中改定を実施し、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善に向けた措置に加え、近年の食材料費の上昇を踏まえた緊急的な対応として、食費の基準費用額の引上げを行うこととした。
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上記を踏まえ、令和9年度報酬改定に向けた大枠の概念が下記の通り示されています。
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〇 こうした状況を踏まえれば、令和9年度介護報酬改定においては、介護分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保を図る必要があるとの認識のもと、介護サービス事業者の経営状況等について把握した上で、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施する必要がある。
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一方、報酬改定面だけでなく、法改正全体に関する基本的な考え方や方向性、及び議論すべき論点についての記載も為されています。
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〇 その上で、令和9年度介護報酬改定に向けては、65 歳以上の高齢者数がピークを迎え介護と医療の複合ニーズを抱える 85 歳以上人口も増加する 2040 年を見据えつつ、自治体・地域の規模によって、高齢化や人口減少のスピードには大きな差が生じることが見込まれ、サービス需要の変化が様々となり、地域の実情に応じたサービス提供体制を構築していくことが重要であることや、介護保険制度の持続可能性を確保するために介護給付の効率化・適正化に取り組む必要があることなどを踏まえ、令和6年度及び令和8年度の介護報酬改定に関する審議報告並びに令和7年の社会保障審議会介護保険部会意見書における指摘などに基づき、各サービスの論点とあわせ、例えば以下のような分野横断的なテーマを念頭に置き、議論してはどうか。
・人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築
・地域包括ケアシステムの深化
・介護人材確保に向けた処遇改善等と職場環境改善やケアの質の向上に向けた生産性向上等
・制度の安定性・持続可能性を確保する報酬の在り方
※今後議論を進める中で変更することは想定される。
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最後に、上記議論を進行していく上での今後のスケジュール感についてです。
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【スケジュール案】
令和8年
4月〜夏頃 : 主な論点について議論
事業者団体等からのヒアリング
10〜12 月頃 : 具体的な方向性について議論
12 月中 : 報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめ
※地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。
令和9年度政府予算編成
令和9年
1月頃 介護報酬改定案 諮問・答申
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議論のプロセスから関心を持って情報を追いかけておくことが大切
以上、今回は4月27日の給付費分科会の内容から、1つの資料に絞って内容をお届けしてまいりました。上記の通り、今後は2026年末〜2027年初めに向けて様々な議論が展開される訳ですが、介護経営者としてはそれら全体に目を通す中、「こうなるかもしれない」という最終的な結論だけでなく、「何故このような改正が行われる可能性が高いのか?」という、文字の裏に潜む意図や背景、メッセージを温度感も含めて理解する姿勢がますます求められることと思います。
その意味においても早め早めに情報をキャッチアップし、頭の中で“PDCA"を回しつつ、「もし上記が実行された場合、自社にはどのような影響が出てくるか?」「それら想定される影響に対し、どのような対応を行う事が最適なのか?」等々、幹部育成の視点も含め、そのような議論を社内で始めていかれる事を是非、おススメする次第です。
私たちも今後、有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。
※引用元資料はこちら
↓
第256回社会保障審議会介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72489.html
(2026-04-30)


