平成27年度税制改正大綱を読む(3)

2015年01月07日

今回の改正では、中小企業への導入が見送られた、法人事業税の外形標準課税に触れてみます。今回の改正の中で、法人税引き下げの財源確保の候補として、中小企業への外形標準課税の導入が検討されてきました。この制度が中小企業に適用になると非常に影響が大きいため、今後の参考にしてください。今回は導入が見送られましたが将来的にはまだ分かりません。

現在、資本金1億円以下の中小企業では、法人事業税は黒字でないと課税されません。しかし、資本金1億円超の大企業では、法人事業税は外形標準課税というものが適用されているため、赤字でも法人事業税が課税されています。なぜかというと、外形標準課税とは、「企業の利益でなく、外見の形式的な規模に対して税金をかけよう」という趣旨の制度であるためです。具体的には資本金や給与総額を基準に課税します。そのため、たとえ赤字であっても一定規模以上の企業では法人事業税が課税されるわけです。

今回の改正で法人税率自体が25.5%から23.9%に引き下げられることは前回触れましたが、これは中小企業の場合には利益が800万円を超えるような優良企業に恩恵がある一方、赤字企業または利益が800万円以下の企業については恩恵はありません。(詳しくはバックナンバーを) 

そこに、今回、導入が見送られましたが、中小企業に上記の外形標準課税が課税されるようなことになれば、赤字体質の中小企業については非常に負担が重くのしかかってくるわけです。つまりは、法人税減税の恩恵は受けずに、外形標準課税によって今までは負担していなかった法人事業税も課税されてしまうということです。

なお、法人が赤字でも負担しなくてはならない税金には消費税(免税事業者を除く)を始め、地方税の均等割7万円(東京都の場合、都民税2万円、市区町村民税5万円)などがあります。

 

 


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