2016年06月29日
日々、テレビや新聞、雑誌などで、介護・福祉に関するワードに出合います。
「ラヒホイタヤ」とは、フィンランドの福祉・保健医療系の共通基礎資格のことで、
ヘルパーや准看護師、保育士、リハビリ助手など計10の資格を一本化した資格のことです。
福祉や介護に従事する職員を確保する必要性から生まれ、1人で複数の分野を掛け持ちできる職員を福祉の現場に配置し、柔軟に対応できるようにしています。
フィンランドは、北欧型の社会保障・社会福祉システムを持つ福祉先進国で、2025年には高齢化率がEU圏内で最も高くなると予測されています。
2015年時点におけるフィンランドの高齢化率は20.4%、日本においては26.7%と世界各国の中で1位となっています。
福祉先進国といわれるフィンランドより高い高齢化率なのです。
厚生労働省が少子高齢化で不足が懸念される福祉人材確保のため参考にしようとしていたのが、
このラヒホイタヤですが、2015年6月日本版ラヒホイタヤは導入見送りになりました。
介護・福祉の現場からは反対の声も多いという、この福祉資格の一本化。
メリット、デメリットとして何が考えられるでしょうか。
・業務の拡大化が図れる
・選べる職場が増える
・幅広く福祉に携わることができる
・専門性の希薄化によりサービスの質が低下する
・資格取得や業務の負担が増える
・資格取得のハードルが高くなり、希望者が減ってしまう
利用者のメリットとしては、先日こちらの活動日誌でも触れた「富山型デイサービス」を思い浮かべるといいかもしれません。
年齢や障害の有無にかかわらず、だれもが一緒に住み慣れた地域でデイサービスを受けられ、高齢者と子どもが一緒に過ごすことで得られる効果もあります。
この資格統合が、介護・福祉業界にとって救いの一手となれるかどうか、日本の現状と将来に適合しているのか慎重な検討が必要ですが、少ない人財を最大限に生かすことができる制度構築が急務です。